第44回 クリスマスと植物について |
クリスマスと植物について私の住んでいる北関東では、12月に入ると木々の紅葉が少し黒ずんで来た様に感じます。愛犬ピッピの散歩コースの雑木林の林床にも落葉が溜まり始めてきました。
先月までは、紅葉や実ものなど秋らしい植物を追いかけて家庭での楽しみ方などに触れて来ました。 |
デザインのルーツ私は、四季の変化とその時期の植物の美しさをしっかり見つめなおしてみることで、デザインのルーツのようなものが理解できるのではないかと思います。自然と祭事・行事に絡んだ植物とその納め方を良く見てみることで、何か人間が本質的に感じているものの一端を理解できるような気がします。 クリスマスを飾る植物の代表選手といえば、モミの木とポインセチアでしょう。青や白のピンライトの電飾を見慣れてしまうと、クリスマスカラーは何かも忘れられてしまうのではないかと思います。ポインセチアがクリスマスの代表格に位置づけられるのも理由があります。(Pho.1) |
クリスマスカラーの赤と緑の意味赤はキリストが流した血の色を意味し、樅の木の緑は冬でも葉を茂らせている強い生命力を表しています。キリストが与える強い生命力ともいえます。 そして、私はクリスマスの装飾をする時にかなり重要な意味合いで白を加えます。雪の白であり、神聖なもの、あるいは静かな平等なイメージも感じます。 仕事に紛れて自宅のクリスマス飾りは全て家内に任せていますが、ここ3年間千葉市花の美術館の展示室の装飾のデザインのお手伝いをする機会に恵まれました。 |
今年は聖(セイント)というテーマをキーワードにして、いろいろな場面でクリスマスの展示アイテムを実現してみました。
日ごろキリスト教とはあまり関係がないんですが、クリスマスのデザインを考えるとき、バチカンの宮殿にあるシスティーナ礼拝堂がすぐ頭をよぎりました。天空に天使が舞いおりるような空間構造です。 |
出来るだけ子供や若い世代のファミリーにも展示に参加してもらえるように、子供サンタと名づけたツリーを展示しました。(Pho.3) |
今回の展示では、家族の絆や暖かさと言うものを随所に表現しようとしました。 |
こんな植物がクリスマス展示に有効ここでクリスマスの装飾にマッチした根付きの植物をいくつか紹介いたします。 |
赤、白、グリーンのカラースキームから言うとシクラメンとかクリスマスベゴニアなどはよく使われます、(Pho.5)トナカイの左奥に映っているのは、ヒイラギナンテン(マホーニア チャリティー)です。緑の葉にやり状の黄色い花は、やや温か味を感じ、また高さを稼ぐことが可能なのでとても重宝です。 |
Pho.6の右は、ユーホルビアの白雪姫と言う品種です。通常初秋に5号鉢程度で店頭に出回りますが、7から8号鉢くらいに鉢上げして肥培管理を行なえば、一年ぐらいで腰の高さ位になると思います。ポインセチアも同じユーホルビア属で仲間です。最近夏花壇に用いられるようなったユーホルビア ダイヤモンドフロストなども仲間で、これらユーホルビアの仲間は、枝を折るとミルク状の液が出ます。 |
Pho.7は暖炉をイメージした植栽でポインセチアを暖炉の火に見立てています。 |
*2009年度の展示は、その時期のテーマを象徴するデザインを大きな額(1.6m×1.2m)の中に展示することにしています。今回は、白の羽毛とチランジア ウスネオイデスで創られた天使の羽です(Pho.11)。 |
世界中の皆様に平和と恵みがもたらせられますように。 |