徳原真人のガーデニングABC
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ガーデニングABC

 第51回 涼を呼ぶ夏のコンテナ

6月の上・中旬ころは空梅雨かと思われる天気でした。6月の下旬に来て梅雨らしい日が続いています。
これから7月の10日頃にかけて強く大量の雨が降ります。高性の宿根草類は、花柄が倒れたりして管理が大変です。

ユキノシタ

私の庭では、カワズザクラやネグントカエデ、トウカエデハナチルサトなどの高木が枝葉を大きく展開し緑が一段と濃くなってきた感じがします。
5月から6月の上旬頃までは、樹下の陰地でも開花する草花は多いですが、さすがに6月の中旬以後は、陰地に強い植物しか持たないようです。 カシワの樹の下で気持ちよく咲いていたヒューケラに替わって、ユキノシタが今咲いています。

この時期は高温多湿でうっとおしい季節です。 今回は涼しさを感じるコンテナづくりのポイントについて触れてみます。

デザインのよりどころ

ハンゲショウ

ちょっと車をとばして標高400〜500メートルくらいの山地に行くと沿道沿いや林縁にマタタビの白い葉が目に付きます。
森や林が緑濃くなっているだけに、この白い葉が美しく見えます。平地では小川の河辺りや庭の湿生地にハンゲショウが目に止まります。こちらも葉先が白く染まった姿は、とても清涼感があって美しいものです。
山手と平地におけるなんでもない風景が、私にとっては基本的であり有効なデザインのよりどころです。



夏は水と風を感じるデザインを大切にする

涼しそうなコンテナを制作しようとする時は、水と風を連想させる植物材料を大切にしています。
水のある所に生える植物の風景をよく観察することが大切です。 直接水の色とは関係ないのですが、白い葉や白の斑が入った植物がそれに当ります。 それから淡い水色やルリ色の花も同じ様な印象を与えます。 例えばアガパンサスやプルンバコなどがそうです。
どんな植物を用いたらどんな印象のデザインになるか。 これは同時に涼しそうで美しい自然の風景をどれくらい見ているかに関係があると思います。
今回は手玉と成り得る植物を下の表で整理しておきます。 同じ白の花でもこの時期に涼しさを想起させるものだけを扱いました。

■涼しさを印象付ける夏のコンテナ用植物
  葉・ガク
木本類 マタタビ
ハツユキカズラ
ヤナギ ハクロニシキ
イワガラミ
ホザキナナカマド
ナツツバキ
ノリウツギ
ハイドランジア アナベル
セイロンライティア
草本類 ハンゲショウ
ギボウシ
トワダアシ
カリオプテリス
シューティングスター
ディコンドラ シルバーフォールズ
ラミウム シルバークラウド
ミスキャンタス
シロタエギク
トラディスカンティア 白斑
ユーホルビア ダイヤモンドフロスト
スイレン

上の表にあげた植物は必ずしも水辺に出現する植物とは限りません。
6月号で取り上げたヤシュウハナセキショウなどは、生育環境とイメージがほぼ一致します。

曲水の涼景

静岡県で言いますと大井川の川原でカワラナデシコを見かけることが出来ます。下の写真はこのカワラナデシコの生息する環境を頭の中で拡大解釈してトワダアシやコバギボウシ、ショウマなどを添えてみた写真です。
河辺に涼しそうな風が吹き抜ける風景をイメージして作ったものです。
イネ科植物等をうまく使って、葉が込まないようにすることが大切で、背景が透ける様にすると涼しそうに感じます。


曲水の涼景

1年後のトワダアシのコンテナそれぞれの植物の生育環境が合っていれば、時間とともに葉の出方がなじんで来る。実は4月下旬の芽吹きの頃がとても美しい。



Bloom Field
株式会社アイ・アンド・プラス Bloom Field事業部