第53回 ちょっと役に立つコッツウォルズの話 |
カレンダーは9月になりましたが、まだまだ、日中は真夏の様な暑さです。
ちょうど6月下旬から8月上旬にかけてちょっと広めの個人の庭を手掛けていたので、植え付け後の植栽の管理については本当に良い経験をしました。 コンテナーガーデニングについても、9月といえども月末にならないとほとんど夏の材料と変わらないので、今回はイギリスの事についてちょっと話します。 写真-1はイギリスのコッツウォルズ地方によく見かける通り沿いの住宅の壁沿いの植栽です。本当に幅70p〜1m程度の狭くて細長い空間をうまく使って植えられています。白い花はツルアジサイですが、私が住む関東地方の平地では、まず無理ではないかと思います。 ツルバラとツルアジサイそれに、フィゲリウスやホリホックなどがポイントに植えられていて、あまり種類は多くないという事が言えます。狭い空間をバーチカルに利用して上手に植栽している点では、日本でも大変参考になると思います。 写真-2は、ウィズレーガーデンに展示されていたシンクガーデンです。要するに、石造りの流しの中に植えたコンテナガーデンです。 私は石積みに多肉植物が絡んでいる写真-3の様な植栽を庭の一部に組み込んだものがとても好きです。 右上のトンガリコーン型の樹はコニカというコニファーで、1年に5pくらいしか伸びないのでお薦めです。 右の写真-4は、ウィズレーガーデンの植物売店で見たワイヤーメッシュに石を詰めたコンテナです。ちょっとワイルド感がある石のコンテナは、カーテンウォールのスケルトンな都市の建築空間にはよく似合うと思います。 特に植え込む植物の種類が重要です。植物の選択によって、超斬新なデザインになったり、ベタなデザインになってしまったりすると思います。このコラムをお読みの皆さん。さて、なにを植えますか?春から初夏あたりでしたら、コンボルブルスにマルバストラムなんてどうでしょうか。 これから秋に向けて、セラトスティグマとエリゲロンなどの組み合わせも考えられます。クローゼットからお洋服を取り出して合わせてみる様な感覚で、コンテナの質感と植物を取り合わせるシミュレーションをしてみると、自分のデザインの幅が広がります。 でも、造園屋の私としては、やはり置き処の背景がかなり重要と言いたいところです。 |