栃木の県営公園とちぎわんぱく公園の様子を紹介いたします。ここは6年間にわたり、花みどりのアドバイザーをしていますが、宿根草が次第に蓄積されてきて徐々に充実してきました。
多くの公園の花壇は、1年草を中心に、年に2回か3回の総植替えをする方向が一般的だと思います。予算を抑えながら年々充実していこうとすると、木本性の花潅木や宿根草を上手く使うことが要点と思いここでは実践しています。
わんぱく公園10年秋・夢花壇
サルビア アズレア
ハロウィンの飾り
上の写真は公園の花壇のワンショットです。 ヘリアンサス ゴールデンピラミッドやビデンス等は2〜3年前に植え付けたもので、背丈も150センチ程度になり広い空間において十分に秋色を発揮しています。 カナル(運河)の両側手前はサルビア アズレアです。これも澄んだ秋色に大変似合う植物で、人気のある花です。茎が暴れ易いので8月上旬までに、バサッと低めに切り戻すと枝数も多くなりボルームアップして大変豪華です。挿し木も大変成績がよく、7月中旬くらいに挿し木をしておくと10月に花を見ることが出来ます。
ここわんぱく公園では、小さな子供ずれの家族の利用者が多いため、この時期はナス科のフォックスフェイスをたくさん植栽し、来園者に喜ばれています。ちょうどハロウィンの時期にぶつかるため、屋外のスペースであるにもかかわらず、ハロウィンにゆかりのあるアイテムの添景物を展示しています。
コンテナの寄せ植えにおいても、実ものの植物を上手に使うとより秋らしさを演出できるのではないかと思います。
この時期のお奨めしたい実もの植物としてシンジュノキ、アロニア、ウメモドキ、コムラサキ、マユミ、ピラカンサなどが上げられます。また、根占の植物としてツルコケモモ(クランベリー)やチェッカーベリーなどは店頭に良く出回っている植物で、実どまりが良いのでクリスマス向けのコンテナに再利用することも可能です。
さて話が前後してしまいましたが、わんぱく公園のイベントでモデル展示として棚をイメージしたグリッド形式のバーチカルなデザインを提案してみました。
棚をイメージしたグリッド形式のバーチカルなデザイン
立体的に見せる工夫
棚に小さなコンテナを置いて立体的に見せることがこのデザインの意図です。また、四方からコンテナを見ることが出来るので、逆光で見る植物もなかなか面白いものです。
グリット棚の一角はベンチになっていて(クッションのおいてある部分)ここに腰掛けてお茶でも飲めますという設定です。 宙に浮かせてコンテナを見せる工夫
ショウガーデンのため、狭いスペースに少し植物がてんこ盛りになっています。実際利用する場合は、セダムやタイムなどで足もとをもってすっきりさせるべきだと思います。
私のコンテナは少し大きめの物が多いのですが、左の事例に見るように今年の秋は宙に浮かせてコンテナを見せる工夫をずっと考えていましたので、いつもよりサイズの小さいものが多くなりました。
花の美術館2010秋
写真(花の美術館2010秋)は浜名湖ガーデンパークの花の美術館の入口に展示したコンテナの一群です。カイズカイブキの列植の前に、美術品を展示する姿をイメージして創ったものです。
コンテナの器の中のデザインから一歩出て、コンテナを展示する周辺の環境づくりが大切であることが少しお解りいただけたかと思います。
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