第56回　箱庭コンテナにトライ

紅に染めたトウカエデの落葉

今年の夏は猛暑であったため、秋の紅葉はさほど美しくないのではと予想されていました。しかし、私が目にする関東地方の平野部では、なかなか趣きのある風景が見られました。市街地の街路樹や公園の風景を見てみますとアメリカフウやトウカエデ、イチョウなどの紅葉がとてもきれいです。

イチョウの絨毯

左の写真は地元の公園の駐車場脇の様子です。
落葉した黄色のイチョウの葉はまるで絨毯を敷き詰めた様です。特に朝の9時から10時ころの逆光で見る黄金色の落葉は輝いていて何か心までウキウキさせてくれます。

白花のサザンカの花

オチャの花

さて、下の写真は高速道路会社からの依頼で作成した箱庭型のコンテナです。

秋の里山とハイウェイのある箱庭

山中のハイウェイとトンネル

紅葉した山肌を表現するために、コナラやハゼノキ、ケヤキ、マユミなどの木本類に加えて、ランタナやモミジバゼラニウム、ハナツルソバなどの草本系の園芸植物を用いています。

秋の里山とハイウェイのある箱庭全景（150×300�p）

修善寺・山里の箱庭（90×180�p）

制作の意図としては、同じ様なテイストですが、右の写真は数年前に修善寺温泉の半屋外ギャラリーで展示した「里山」表現した箱庭型のコンテナです。
実際に野山に出現する植物の構成とは少々違いますが、秋の紅葉感などを演出するポイントとして、常緑の植物とコケ類などの地被植物等のグリーンの扱い方が結構重要になります。

また、ディフォルメして縮小した空間にメリハリをつける手法として、赤い実の植物は大変重要です。

今回は、季節が移り変わっていく様子を見ながら新しいタイプの箱庭コンテナに挑戦してみました。