第60回 春風のコンテナ |
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この度の東北・関東地方の地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。 平成3年頃だったと思いますが「地球にやさしい」という環境に配慮したキャッチフレーズが流行っていたように記憶しています。私が勤めていた伊豆の会社に訪ねてきた先生が「自然がやさしいなんてとんでもない。自然は厳しいものなんだよ。」と言っておられたことを思い出しました。かすかな記憶ですが、昭和38年ころ北関東の田舎では薪で風呂焚き、目にしみる煙を我慢しながら焚き付け口に息を吹きかけていた光景を思い出しました。周辺の農家では囲炉裏があり、夕食の鍋物を温めたり暖をとっていた家も珍しくなかったように記憶しています。地球温暖化を防止しなければと言いつつ、わたし達はエネルギーを使いすぎていたのではと思います。
さて、東京電力の管内では計画停電が実施されていますが、昨年のように猛暑となると住宅や事務所における夏の過ごし方が気になります。無駄な電力を使わないで快適に過ごすためには、自然の摂理にかなった合理的な省エネルギーの対策が必要です。
震災以来、わたしに何が出来るのかと考え続ける毎日です。誰でも出来る募金などはもちろんですが、電力消費のピークを迎える夏に、省エネ快適暮らし術を提案・実践することもその1つと考えました。 3月のお彼岸を過ぎてから、栃木県にある自治医科大学の付属病院の正面玄関前に花壇を新たに植栽しました。当院では東北の被災者も入院されていると聞いておりましたので、花壇の中に、フォーカルポイントとして鯉のぼりを展示しました。手を取り合って元気を出していきましょう。という意味を込めて展示いたしました。花苗の株が充実して豊かな花のターフをつくる端午の節句の頃が楽しみです。(いつか経過報告を致します)
例年ですともう桜が開花していてもおかしくないはずです。下の写真は、3月26日の東京上野の写真です。左はケヤキの木で右の写真はイチョウの木です。良く見ると枝先が赤茶色に色づいています。扇状のケヤキと三角錐のイチョウの樹形がとっても美しくて見とれてしましました。
公園の売店の柱に掛かったハンギングバスケットを見ると、秋に植えつけたハボタンの花柄が上に伸びて、いよいよ春が来てバスケットの容器にはとっても納まりきれないようです。 これから4月の中旬頃にかけて萌木の季節を迎えます。先ほどのケヤキの芽ぶき前の様子から始まって、微妙な変化が味わえてとても楽しみな時期です。 ■春のエンジョイコンテナ 冬の間縮こまっていたビオラやワスレナグサ等の草花、はのびのびと葉を広げ花もボリュームアップしてきました。 明るい春の陽射しに似合う可愛らしい今風の寄せ上を作ってみました。直径21センチの素焼鉢を用い、マンションのベランダや玄関先にちょこんと置くようなタイプです。 ■芽吹きの頃の里山の自然 次は、芽吹きの頃の里山の自然をイメージして作った船形のコンテナです。ヤマモミジを複数本合わせて雑木林をイメージし、ヤマゴケの中にイワウチワとイワカガミを寄せ植えしたものです。イワウチワの薄ピンクいろの花が桜の花を連想させて、春の雑木林のとても柔らかくて瑞々しい感じを表現した物です。 文頭に萌木の頃の林や森を観察することをお奨めしましたが、私はコンテナ制作のヒントをこれらの自然から多く戴いています。 最後に前回紹介したコッツウォルズハウスの制作は、右の写真で見るように外壁の仕上げ作業の段階に入ってきました。4月上旬より得意の植栽に入れますので、5月のオープンガーデンにはどうにか間に合いそうです。 玉崎弘志さんとのコラボレーションDVD「ベランダガーデン&フラワーコンテナの植栽デザイン教室」 が発売されています。2枚組で、私が担当したのは“ インテリアのテイストに合わせたフラワーコンテナの植栽デザイン”です。 |
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