第65回 ご家庭で楽しむコンテナデザイン |
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夜半に耳をすませると、虫の音が聞こえる季節となりました。 9月に入りましたが、まだ花屋さんの店頭では夏の花が引き続いて売られています。ユウゼンギクやリンドウの鉢物が一部出初めてきましたが、やはり9月のお彼岸頃を過ぎないと秋の草花が多く出回るようにはなりません。 ガーデニングABCのコラムでは、コンテナ制作の考え方を一応理解したものとし、さらに家庭で手軽に楽しむための応用版・お手軽版として3回に分けて紹介しようと思います。形態的なものを参考にするには、良いアイデア箱になると思います。 昨年の9月下旬にベランダや室内で楽しむコンテナガーデニング「フラワーコンテナの植栽デザイン教室」というビデオの収録をしました。 DVDの中に、アジアンティックなリゾートの雰囲気をテーマとしたコンテナの制作があります。熱帯雨林の中に生えるゴムノキの仲間の『フィカス』と熱帯高木の幹を這い上がる『フィロデンドロン』を主に使ったデザインです。
一方、これが中米やオーストラリアなどの空気がカラッと乾いたドライテイストなリゾートをイメージしたらどんなデザインが可能かという視点で考えて見ましょう。 ドライな環境で直ぐイメージする植物がティランジア類です。エアープランツなどと言う名称で店頭で売られています。DVDでも丁寧に説明いたしましたが、使用する植物がどんな環境で自生し、どんな性質を持つのかは最低理解しておいてください。属にエアープランツはまったく水をやらなく、放置しておいても大丈夫と思っている人がいるかと思いますが、必ずしもそうではありません。 『ティランジア(Tillandsia)』は、パイナップル科の植物です。北アメリカの北緯35度から南アメリカの南緯43度の間に自生し、海岸から標高4000mの高地まで分布します。
私は、現地で見たことはないのですが、図鑑や植物自生の写真集などを見ると,彼らが過酷な環境でも頑張っていることが良く理解できます。 ティランジアは、週に1度程度、根茎を30分ほど水につければ、メンテナンスは、それでOKです。 こんな生育環境を理解して、キッチンにゆかりのあるツールを用いてデザインしたいと思います。ここでは、壁にハングさせるタイプとテラスやテーブルに置く場合の2タイプについてトライしてみます。 ■壁にハングさせるタイプ【泡だて器のティランジア】 下の写真は、今回使用するティランジア ストリクタと水苔と泡だて器です。泡だて器は100円ショップで購入したものです。 水苔はバケツに30分程度漬しておいて、水を良くきってからピンポン玉の大きさに丸めて、泡だて器のワイヤーの中に挟込むようにして、70%程度充填します。 次にティランジアを植え付けたい位置にワイヤーの間に挟みこみます。この時にティランジアの株が固定できるように、3、4枚の葉をワイヤーの後ろ側に挟み込むようにして止めていきます。 上の写真のように、割り箸などを使って水苔を補いながら株を固定してゆきます。葉の出方が自然に見えるようにセッティングするのがコツです。 今回は、3株のティランジアを植え付けました。最後に鋏で回りに飛び出した水苔をカットしてしあがりです。 ■テラスやテーブルに置く場合【アンデスグラスのティランジア】 同じティランジア ストリクタ を使ってグラスにアレンジする方法を考えて見ます。 私の家にも幸運が迷い込んでくるように、グラスの中に金色のクリスタルブロックを入れて、朝日に輝くようなものを制作しようと思いました。 今回は、お手軽版を静止画でお伝えいたしましたが、やはりデザインを創り上げて行くプロセスは、DVDの動画の方が伝わり易いのかと思います。 次回は「小さい秋見つけた」というキーワードでコンテナの制作をお届けする予定です。 ■徳原真人先生によるデモンストレーション開催 関東地方の閲覧者に限りますが、陶芸の郷益子で陶芸家喜多里加さんとのコラボレーションで、寄せ植えのデモンストレーションを行ないます。 会場にいらしてくださった皆さんとは、空気を解して直にデザインのプロセスと意図が伝わると思います。 |
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