徳原真人のガーデニングABC
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第73回 萌黄色の季節から若葉の季節へ

文・写真/徳原真人 掲載日:2012年5月7日

ゴールデンウィークを向え新緑の季節を迎えました。国道の高架を車で走っていると周辺の梨畑が白い花で覆われ、5月の爽やかな風と相まってすがすがしさを感じて、とても楽しい時期です。
ちょうどゴールデンウィークに入るころ里山の林縁に白い穂状の花の木を見かけます。ウワミズザクラ(上溝桜)です。10メートルくらいになる樹もざらに見かけます。

ウワミズザクラの花

3月のお彼岸当たりまでは、まだ寒い日が続くこともあり黄色やピンクの花は温か味があり春到来をイメージさせます。5月に入り気温の上昇とともに白い花や薄紫色の花が爽やかで素敵に見えます。

不等辺三角形の配置の原則を基本にして庭全体の色彩イメージを誘導

下の写真は、5月7日の我家(ひかるガーデンズ)のワンシーンです。

グランド部分の黄色系のビオラと、右上部を頂点とする黄斑のハナミズキの黄色のトライアングルを認識できますか?
5月の上旬くらいまで主張してきた黄色の基本構成です。

一方、左下のペッシカリア ブラックドラゴンとその上部のアメリカハナズオウ フォレストパンシーは黒ムラサキとの逆三角形のトライアングル構成です。

やっと銅葉の芽が吹きかけたとこですが、これから夏に向けて頑張ってもらう主要構成です。


中央部にアイアンのオベリスクが見えると思いますが、ここにはピンクのバラが鎮座しています。6月上旬に開花のピークを向えますが、それまでの間は周辺のデルフィニウムやラークースパーやオルレア、ネペタといった優しい印象の草花がバラの開花までの期間頑張ってくれます。

濃紫のトライアングルの話をしましたが、目に飛び込んでくる濃紫のトライアングルの構成に対し、この沈んだ色がデルフィニウムやバラの明るい色をより鮮明の印象付けてくれます。好みの問題はありますが、この時期は黄色系でなく紫や濃緑などをベースにおいています。

オオデマリ

ここで、背景も重要な要素です。背後にはキンモクセイとオオデマリが植栽されています。
通常は背景の緑としての機能ですが、5月上旬には白いオオデマリが10月には黄色のキンモクセイがほんの10日ほど咲いてくれることで、大いに季節を感じます。


早春の時期から活躍してきたビオラやネモフィラ等の小花が多く残っているので、全体的に目がチラチラすると思われるかもしれません。私としてはまだ寒い時期から頑張ってくれたビオラたちが愛しいので、あと三週間くらいは残しておこうと思います。

草花植栽の基本から言えば、小判型の花壇の3ポイントくらいに、葉の大きい物を植栽し構成上落ちつきを持たせるのがベターだと思います。

ひかるガーデンズのオープンガーデン

私事ですが、本年は5月17日から19日の3日間オープンガーデンを行ないます。冬が寒かったせいか、例年に無く花と緑が美しいです。弊社のホームページのブログで詳細の案内を掲示しております。デスクトップ上や講演会などでは少し生意気なデザイン論を話す私ですが、実際に手を動かしたらどんな結果になるか見てみたいという方がいましたら、3日間は徳原が現場で直にご説明いたします。
また、植物派ガーデニングファンのために庭に植栽している300種程度の樹木と草花のリストを整理しておこうと準備しています。

さて、次回は色彩についてお話いたします。たとえば、「1つの絵画の中で紫を何色使い分けられますか」と言うことです。これは1つの環境下で、どんな色の花がどの時期に咲くかを理解していないと出来なので、結構難しい面もあります。お楽しみに。

Bloom Field
株式会社アイ・アンド・プラス Bloom Field事業部